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▼ アンコールワット
カンボジア

▼ 設計者
スーリヤヴァルマン2世

▼建築様式
ヒンドゥー教寺院建築
12世紀初頭、クメール王スーリヤヴァルマン2世によって建てられた州立寺院で、世界最大の宗教モニュメント。もともとクメール帝国のビシュヌ神に捧げられたヒンズー教の寺院として建設されたが、12世紀の終わりに向けて仏教寺院へと変わっていった。

ほとんどのクメール寺院と異なり、アンコールワットは西向きに建っており、これはスーリヤヴァルマンの霊廟としての役割を果たしているとみられる。
アンコールワット

「週刊文春」に掲載されました。

2016年3月10日
建築設計・技術者派遣の「ハイブリッド経営」で世の中に必要とされる企業を目指す!

株式会社 アルファ設計

「道徳観・倫理観に立脚し、技術の創出と提供を通じて社員の幸福、万物の繁栄、社会の発展を目指します。」
 この文言を企業理念に掲げる株式会社アルファ設計は、1991年の設立以来、店舗やオフィスビル、住宅、クリニックなどの建築設計で25年の実績を持つ。一級建築士が多数在籍し、顧客のニーズ・予算に応じて計画から引渡しまでワンストップで手掛けている。

 他にも、自動車・船舶・産業用機器の設計や顧客先への常駐型アウトソーシングにも対応。川崎本社に加えて新宿、大阪、仙台にも支社を展開し、スーパーゼネコンや大手設計事務所、さらに有名な建築家からも大きな信頼を集めている。

「現在、グループ全体で約100社もの企業とお取引をさせていただいています。当社が四半世紀歩み続けられたのは、当社を信頼して頂いているお客様のおかげ。心より感謝しています」
こうしみじみと話すのは、同社の境野雅仁社長だ。

 グループ会社の株式会社アルファコーポレーションは、CADオペレーターなど建築分野の技術者派遣に特化。派遣技術者は勤務地や時給、スキル、職種に応じて携わりたいプロジェクトを自身で選ぶことができる。同社はスマートフォン用求人サイト「ALNET」も自社で運営し、派遣技術者と企業とのマッチング役を担っている。

 現在、登録技術者数は約4000名。意外にも、その半数近くを女性が占め、家事や育児と両立しながら多くの女性が活躍している。

「派遣業は結婚・出産を経た女性が社会に復帰する上で、柔軟な働き方を提供できる点に大きな意義がある。当社にとっても、ますます重要度が高まっていく分野です。お取引先のご協力のもとに雇用を創出し、女性や若者にチャンスを与え続けていきたい」(境野社長)

 2社の代表取締役を兼務し、建築設計と技術者派遣を掛け合わせた斬新な「ハイブリッド経営」を推進する境野社長。横浜で生まれ育ち、横浜DeNAベイスターズと高校野球の熱狂的ファンでもある。大学建築学科卒業後、建築設計会社で様々な建築物の設計に携わり、当時から「死中に活を求める」姿勢で仕事に取り組んでいたという。

 そんな境野社長が経営者を志すきっかけとなったのが、高校時代に読んだ経営の神様・松下幸之助の著書だった。現在も、稲盛和夫氏や佐々木常夫氏など日本を代表する経営者の書物を読み漁り、経営について探求する一面もある。
「細かな目標を立て、達成のために全力を尽くす。問題が生じたら必ず分析・分解して原因を究明する。経営とはその繰り返しです。また、会社とは品格を追い求めていかなくてはならない。私もまだまだ修行の身。さらに勉強し、経営を極めていきたい」(境野社長)

「社会工学」の領域で
建築の新技術を生み出す


 技術力やノウハウ・スキルを有しているだけでは、盤石の経営を実現することは難しい――。ある日、友人の言葉で「営業力」の重要性に気付かされた境野社長は、当時取引先の設計事務所に在籍していた高家昌彦氏を熱心にくどき、数年かけてヘッドハンティングに成功。現在は高家取締役が中心となって営業の組織体制強化に取り組み、近年その成果が表れてきている。

 将来は技術開発室を立ち上げ「社会工学」の領域で世の中に貢献していく考えを示している同社。背景には、境野社長の次のような想いがある。
「昨今、建物のデザイン性・芸術性は著しく向上し、数々の優れた作品が存在する反面、利用者方が『建物は人のためにある』という本来の姿やその建物への想いを感じる機会が少なくなっているように思います。
当社は建築の側面を見つめて、日常の快適さや安心感のある新しい建物の機能や利便性を備えた技術を生み出したい。大手各社の真似をするのでなく、建築のフィールドに立ちながらも独創性あふれる技術で世の中の役に立てないものか模索しています」

 境野社長はこう続ける。
「そうした目標を達成させるためには会社の体力をつけることが重要。体力とは『人材×資本』。従業員数・売上高ともに規模を現在の数倍以上に拡大し、従業員が誇りを持つことのできる企業に成長・発展させたい。私は経営者として、そこに執念を燃やし続けていきます」 境野社長のモットーは〝実るほど頭をたれる稲穂かな〞。


おごることなくその姿勢を貫き、今後も企業活動を通じて「豊かな社会の建設」に努めていく覚悟だ。 (森)